入れ歯の変形について

 

 入れ歯が合わない!という原因には何があるのでしょうか?

 入れ歯の土台となっているものは、合成樹脂のアクリルレジンです。これは液と粉末を混ぜ、餅状になったものをフラスコにいれ加熱して重合する。(加熱重合レジン)か、加熱しないで、型に流しこむ(流し込みレジン)で出来ております。
 加熱重合レジンは強度的には強いが、重合収縮が大きく変形しやすい、常温重合レジンは変形が少ないが強度が弱いという欠点があり、加熱重合レジンが使われていることが多いです。
 この土台部分の変形が、合わない入れ歯となる原因の一つです。

 この収縮変形を抑えるためにどうやったか?

 @ 長時間かけて重合する   9時間以上 (普通は1時間程度です)

 A 電子レンジを使って重合する

 B 加圧しながら重合する、または高圧をかける

 C 模型の表面を乾燥させて重合する。 「ドライシステム」

 D 特殊な器械をつかう   「射出成型法」

 E ある技工士は特別な石膏と液を使っている

 などがあります。しかし[入れ歯一心」本の中で書いてあったのですが、二重構造にするこの方法がベストではと私も考えております。

 

これはただ単に義歯の裏にレジンをもり口の中で裏層したのではありません、口の中ではこのように均一にすることが不可能です。

 

テクニックまでは書いてなかったのですが、私も出来るようになりました。
学術書にも載っていないですが、方法はこ
うです。

 まず、加熱重合レジンで義歯を作り、この収縮変形している義歯の粘膜にあたる部分のみを常温重合レジンで置き換える。彼は0.35ミリの厚みといっている。シートワックス一枚の厚みです。
 日本刀の硬いが割れやすい鋼鉄と軟らかいが強靭な鋼を組み合わせてあるのとよく似ています。
歯科医、または技工士の方で疑問があれば指摘してもらって結構です。

 

参考文献 「入れ歯一心」  長辻 篤郎

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二重構造です、ぴったり合っています

65度で9時間,重合したものですが,隙間があります

6030分,10030分で重合したものです。上のものより隙間がめだちます

 

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